024:くだらない
「くだらないな。」

つっけんどんな言い方。

なによ。

そんな風に言わなくたっていいじゃないの。

私より緩やかに歳を重ねるアンタにはわからない。


…私一人が先に歳をとっていく。

別に同情して欲しいわけじゃないけど、解って欲しかったのよ。

 

アンタにだけは。

 

それなのに。
「くだらない」、ですって?
悲しさを通りこして怒りが湧いてくる。
アイツに怒りをぶつけても仕方ないのは良くわかっている。
だけどこのやり場の無い思いをどうにかしたくて結局はアイツにぶつけてしまう。

 

「…くだらない、ですって?
アンタはいいわよね、であった頃からほとんど変わらない。
けどアタシは確実に変わっている。」



「………。」

 

アイツは何か言いかけたけど口をつぐんだ。

 

「ねぇ、なんとか言ったらどう?」

 

「…何をそんなにあせる?わからん奴だ。」

 

「何を、ですって?!
見てよ…私を。
アンタは変わらないけど私はどんどん年をとっていく…
しわくちゃのおばあちゃんになっていくのよ…」



…だめだ。涙が出てきた。

認めたくない事実。

確実に自分が先にいなくなってしまうだろう事。

今まで我慢してきたけどこうなってはもうとめられない。



どうしてベジータは地球人じゃなかったのだろう。

どうして自分はサイヤ人じゃなかったのだろう。


あとからあとから涙が溢れてきてアイツ、ベジータの姿がかすむ。



「ふん、そんなくだらないことか。」


ベジータはそう言って私を抱き寄せ、囁く。


…お前が年をとろうがオレには関係ない。

お前はお前だろう?

年をとると地球人は別人になるのか?

お前が「ブルマ」でなくなるのならオレは困るが、

変わらないのであれば何も問題はない。


「!」


その言葉に驚いてふと視線をずらせば真っ赤に染まった耳。

きっと今顔を見れば真っ赤なんだろう。

そう思ったらくよくよしていた自分はどこへやら。

顔と同じく真っ赤なのだろう耳元に。


囁く。


「ね、私がしわくちゃのおばあちゃんになってもベジータは愛してくれるの?」


今度はベジータが。


「!?い、いきなりなんだ!げ、下品な奴め!」


「ね、どうなの?」


「う、うるさい!だまれ!黙らん奴は…」


「黙らん奴は…?」


「こうだ…」


とかなんとか言いつつもベジータは私を抱き寄せいつも以上に深い口付けを与えてくれた…


「もう、そんなくだらないことは考えるな…ブルマ…」


そんな考えは杞憂だとベジータによって身体に刻み込まれた…






040229
初ベジブル。ここ最近のフィーバーカップル。
コンテンツは作らなくてもお題の方で細々やっていくかも。


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