094/運命の女神
彼女に出会ったのが運の尽きだったかも知れない。

初めて足を踏み入れたテュパン。そこで出会った妖精リトゥエ。まぁ、出会い方はある意味衝撃的だったわけだけどね。

冒険者として日の浅い私には頼もしい仲間なのだが…

彼女と行動を共にしている所為だろうか、変わったダヴェズに遭遇する率が他の冒険者より高いような気がしてならない。気のせい、と言われれば強くは反論できないのだけど。

リトゥエのような者たちはほとんどが冒険者と共に行動している。と言ってもリトゥエのように人間達に興味がある者達だけだ。大体は森などで生活しており彼女たち独自のしきたりや伝統があり、実際のところは私達「人」よりもずっと優れている種族だ。

そんな彼女達の中でも変わり者であろうリトゥエのような者たちが時折人と共に冒険に出るわけだが。本当にそれだけなのだろうか。彼女に出会い、行動を共にするようになりそして。

なにか大きな力によって動かされているような感じを受けるのだ…自分の意思とは無関係にもっと次元の高いところで全てを決められてしまっているような嫌な感覚に襲われる。

自分の体に異変が起きるとき。

必ずリトゥエにも何かしらの兆候が現れる。

ここまで来てしまったら最後までついて行くしかないのだろう。

何の因果か私はリトゥエと出会い、自分の意思で共に行動して、心のどこかではこの状況を楽しんでいるのだ。

リトゥエもその大きな何かに巻き込まれているのかもしれない。

どのような結末が待っているのか今はまだ解らないが。

彼女は私を驚くような冒険に連れ出してくれる運命の女神なのだろう…



060215
またしてもミンクエです。
基盤がある物はやはり書きやすいです。