ずっと、そばに。
ある日突然最愛の人達を失う。

そしてその出来事は心の奥底に身を潜め。

不意に浮かんでは言いようのない不安に替わる。

そんな事は絶対にない、とは言い切れないから。

でも、二度とは経験したくない、苦い思い。

叶うならば。

いつまでも…









ずっと、そばに。









蒸し暑くて寝苦しい夜。おれは寝付けずにいた。

あいつに言わせれば、きっと

「あんなに昼寝してるからじゃない。」って言うんだろうな。

でも、おれは自慢じゃないけど、それでも夜は夜でしっかり眠る事ができる。


まぁ、寝付けないのはこの蒸し暑さのせいもあるんだろうけど。

「水でも飲んでくるか…。」

おれは静かに扉を開けて部屋の外に出る。当然、他の奴らの部屋は静かだ。

今ごろみんな夢の中だろう。

と、そのとき。

あいつの部屋からかすかに声が聞こえてきた。


「まだ起きてんのか?」

そっと部屋に近づき、中の様子をうかがう。


トントン…


ドアをノックしてみる。

返事はない。だけどやっぱりかすかに声が聞こえる。

(…んー、一応様子見、ということで。)

自分に言い訳しながらあいつの部屋のドアを開け、するり、と中に入る。


あいつのベットの側に行くと、

いつもと同じく、ルーミィとシロも一緒のベットで寝ている。

「なんだ…やっぱ寝てんじゃねーか。このクソ熱い中…」

ただの寝言か。心配して損した…そう思って部屋を出て行こうとしたとき……


「いかないで…」

「へっ?!」

突然の言葉に驚いてあいつを見たけど、やっぱり眠っている。

「そうだよな。寝言だよな。」

さ、あいつが起きないうちにさっさと部屋を出よう。


「一人にしないで…お願い…」

またあいつが言う。

…やっぱ起こしちまったのか?

そう思って声をかけた。


「起きてんのか?」

返事がない。

おれは少しイラついてあいつの顔を覗き込んだ。



…見るんじゃなかった。

あいつはやっぱり眠っていて、でも。

閉じられた両目からは静かに涙がこぼれていたんだ。

悲しい夢でも見ているんだろうか。

あいつを起こさないよう、注意しながらベッドに腰をおろす。

そっとあいつの髪を梳きながら、

「みんな居るよ…誰もパステルを置いていなくなったりしないよ…。」

そういうと微かに微笑んだように見えた。




いつもの朝。

「ちょっとトラップ!いつまで寝てるの?!さっさと朝ご飯食べちゃってよ!」

パステルの元気な声が聞こえる。

「もう少しだけ…」

寝かせてくれ、とは続かなかった。

いつの間に部屋に入ったのか、パステルに勢いよく布団をひっぺがされた。

「もう。さ、ご飯食べちゃってよ!」

あきれた顔でこっちを見ている。

「とりゃー、おこられてるぅ!」

そしてパステルの横にはいつものように真似をしているルーミィの姿。

昨日の夜が嘘みたいだ。

だけどパステルは泣いてるより笑っている方がいい。

俺がそんなこと考えてるなんて知らないんだろう。

それでいい。今はまだ。






20010624

…う〜んスランプ気味ですね。
何かもう、ほら、ね…こう…もう少し…。
って感じなんですよ。でもトラップ視点で書こう、と思い切った暴挙に。
で、支離滅裂気味に。

み、皆さん、お許しを〜