04 / 遊園地
どうだ

オレの顔面に一撃だけでも

くらわせられたら

遊園地につれてってやるぞ

 

 


<遊園地>

 

 

 

 

この約束を果たすためにオレは息子であるトランクスと一緒に遊園地に来ていた。

そう、オレ様が『つれてってやるぞ』と言ってしまった為にブルマに押し付けようとしたが「あんたが約束したんでしょ?なら約束守んなさいよね。王子様とあろうものが約束破るなんて、しないわよね〜?」と逆に言い返されて今にいたるのだ。チッ。

「パパ、あれに乗ろうよ!」

と連れて行かれたのはジェットコースター。レールの上を走る奴だな。オレ様が空を飛ぶよりトロイがまぁ、いいだろう。

かかってきやがれ。




 

 

………




 

 

「パパ、大丈夫?なんか顔色が…」

「…もともとこういう顔色だ。」

「そ、そうだっけ?」

「次いくぞ…」

 

マズイ。息子に弱っているなどと…べ、別に怖かったわけじゃないぞ。ちょっと気持ちが悪くなっただけ、そうホンのちょっとな。レールを見てりゃ動きなんぞ解るしスピードだって自分で飛ぶほうが断然早いからな。しかしだ、なんだあの揺れは!あんな乗り物今まで乗ったことは無いぞ。ウチのジェットフライヤーの方が乗り心地はいいぞ…なんだってあんなものが楽しいんだ?地球人とはわからんものだな。

「パパってば!ぶつぶつなに言ってるの?パパもなんか乗りたいものないの?」

乗りたいもの?そう言われて周りを見ればジェットコースターとはまた違う雰囲気のものがあった。小さな子供も乗っている。あれなら気持ち悪くならんだろう。ジェットコースターが怖い訳じゃないぞ!断じて!

「あれにするぞ。」

「あれ?いいの、パパ…?」

不安そうなトランクスを半ば引きずり目的の遊具に乗り込んだ。動き出したが別段どう面白いのかが解らん。遊園地にあるのだからおとなしそうに見えてもナニか仕掛けがあるのだろう。

「…つまらない乗り物だな。」

「パパこれね、こうして遊ぶんだよ。」

トランクスはそう言って真ん中にあったハンドルみたいなものをくるり、と回した。

「うぉ!?」

いきなり乗り物が予測不可能な動きをした。

「な、なんだ?」

「パパ、これねコーヒーカップって乗り物なんだよ。こうやって自分で回して遊ぶんだ。」

トランクスの奴、そういうとハンドルをくるくると回し始めやがった。其の度に座っているカップがぐるぐる回る。

楽しそうだな…アイツは平気なのか?

何だかオレ様の頭もくるくると…

 

……沈黙。

 

「…?パパ?!た、大変だぁ!」

 

 

 

 

 

「意外な弱点ね〜。こーんな乗り物に弱いなんて。」

そういってコロコロ笑うは彼の妻。

「ねぇママ。パパ、大丈夫かな?」

「だ〜いじょうぶよ。単なる乗り物酔いだから。それよりもね…」

ちょっとトランクス、と彼女は最愛の息子を呼び寄せひそひそと耳打ちする。今日のことは母と子の間の秘密にしておこう、と。さもないとプライドの高いベジータ、どんなことになるか想像すると怖いやら可笑しいような…此方からは触れないに越したことはない、と二人は結論を出した。

 

 

 

 

 

後日。

ベジータの修行に回転式グラビティコントロールが加わったそうな…

 


040321
ベジ&トラのほのぼの親子物。
例の約束を守らされただろうベジと「お父さんに連れて行ってもらう」事が嬉しいトラな話。