続・砂糖菓子
「オイ。」

其の言葉と共に目の前に出された綺麗に巻かれた純白の綿あめ。

「なに?」

食べろ、と言わんばかりの勢いで目の前に突き出されたソレ。
甘い香りが鼻腔をくすぐる。ソレを受け取り口へと運ぶ。

「あ…美味しい。」

砂糖の独特の甘い香りと共に香るさわやかな香り。

「ねぇ、これ…。」

フフン、と腕を組みおもむろに口を開いた。

「オレ様の口に放り込まれたヤツにはほのかに味が付いていたからな。」

天才であるオレ様に出来ない事は無い、不適な笑みを浮かべている。

「ふーん…あんたってこんな繊細なこともできるんだ…」

不器用かと思っていたけど…とブルマはベジータの手を取りペロリと指を舐めた。

「!?な、何しやがる!!げ、下品な…」

ほほを赤くしてベジータが慌てて手を引っ込める。

「あ。やっぱり甘い。」

綿あめに図分と悪戦苦闘していたらしく、よくよく見ればあちらこちらに細かい綿あめが付いている。

「ここにも綿あめ、付いているわ…」

そう言って唇を舌でなぞる。

「なっ…!げ、下品なヤツめ!!」

「ふん。なによ。その下品な女が好きなくせに。」

「だまりやがれ…だまらんヤツはこうだ…。」

そう言って今度はベジータがブルマの唇を塞ぐ。言葉とはうらはらの情熱的なキス。

 

「あん…ねぇ、ベット、行きましょ?ベジータ…」

ベジータは無言でブルマを抱き上げると寝室へと向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…甘くていいにおいがするから来て見たけど…。」

小部屋に散乱する大量の綿あめを見てしばし呆然ぎみの小さな影二つ。

「食べていいのかな?」

「いいんじゃないか?」

「別に変な実験じゃなさそうだし。食べちゃおうぜ、悟天。」

「そうだね。食べちゃおう、トランクス君!」

思わぬおやつに嬉々として食らいつく二人。

「それにしてもなんでこんな所に綿あめが大量にあるんだろうね。」

「周りを見てみろよ。強化壁だけど、あちこちヒビが入っている。パパが居たんだよ、きっと。」

「え?!ベジータおじさんが??」

「たぶんママにうまい事言われて…。」

「ふーん…」

「ま、オレ達には関係ないし、あんまり詮索するとママの鉄拳が飛んでくるからな。」

触らぬ神に祟りなしさ、とトランクスはつぶやいた。


 


040503
これにて完結。ベジブルでちょい甘。
一度は書きたい砂吐き甘甘。

これが書きたくてこのお題にベジブルを…
トラは絶対悟っている。余計な詮索は身を滅ぼすと。