幻 桜 1 |
…この間の「アレ」はなんだったのよ!まったくもう! あれから先生の顔がまともに見られないじゃないのよ! 私が好きなのはサスケくんなのよ?! …なのに。なのにどうしてこんなにも先生のことが気になるの? サスケくんが好きなのに… 「あー、今日もやっぱり寝られないじゃない…もう…。先生のバカ…。」 あの夜から数日たった夜。サクラは眠むれずにいた。 「しゃーんなろ!どうして私がサスケくん以外のことで悩まなきゃならないのよ!」 ぶつぶつ文句を言いつつもふとした瞬間に唇にあのときの感触が蘇る。 ほんの少し合わさっただけだったけど、意外と柔らかくて暖かだったっけ。 しかもいつも面布で隠してるからどんな不細工かと思っていたけど、 素顔はなかなか格好よかった。面布で隠していなければどちらかといえばモテルほうだろう。きっと。 「!!だ〜っ!だから私はサスケくんが好きなのよぉ!」 サクラはベットからがばっ、と身を起こすと叫んだ。 「…やめやめ。悩むだけ無駄よね。私が好きなのはサスケくん。カカシ先生は関係ナシ。うん。」 それでも眠れない事には代わりが無い。 「う〜ん。どうしようかな…」 其のときふと、あの桜がちょうど見頃になっていた事を思い出す。 昼間は任務や演習やらでぜんぜん見る機会がなかったのだ。桜の見頃はほんの数日。しかも大風や雨に当たれば散ってしまう。 「ふふん。夜の花見としゃれ込みますか。」 サクラは自分の思いついたことに満足しながらさっさと夜具を脱ぎ捨て着替える。 「この時間ならもう人も居ないだろうし。かえってゆっくりみれるかも。」 両親を起こさないようにこっそりと窓から抜け出すと桜並木に向かって歩き出す。途中でさすがにお酒はムリだけど、 お花見気分を演出するために適当な飲物を自販機で調達する。 そして一本の桜の木の下にちょこんと腰掛けて上を見上げれば見事に咲き誇った桜の花。 「うっわぁ〜!すっごく綺麗…。」 闇の中に薄桃色の花が咲き誇る。美しくも妖しい雰囲気が漂う。 …そういえば桜の木の下には死人がいる、って言われていわれているんだっけ。 …その人の想いを糧に花開くと。 こんなに綺麗な花を咲かせられる想いってどんな想いなのだろうか。 その事を思い出したら急に綺麗だった桜の花が恐ろしくなる。 薄桃色の花びらも実は死人の血の色なのではないか。そんなことはあり得ないのに。 さわさわと闇に揺れる桜の木。何故か桜の木に呼ばれているような錯覚に陥る。 …早く帰ろう。 そう思ったとき、急にザァッ…と風が吹いて桜の花びらが散る。 「な、なに?!」 突然目の前が桜色一色に染まる。 サクラに纏わりつくように花びらがひらひら舞う。 「い、いやっ!」 あわてて手で払いのけようとするがうまくいかない。 払いのけても払いのけても後から後からひらひらと絶えることなく舞落ちてくる。 ひらり…ひらり… 後から後から花びらが降ってくる。 それはまるでピンク色の雨のよう。 徐々にサクラの意識が遠のいてゆく。 …ダメ…ここから逃げないと…。 …そんなこと言わないで?一緒にいてよ。 …誰よ、アンタ… …アナタのその想い。綺麗な花になるわよ… …ダカラアナタヲチョウダイ…? …イヤ!絶対にイヤ! …ニガサナイ。 …なに?これ…っ… …ニゲラレナイデショウ…? …一緒に永遠の夢を見ましょう…。 …永遠に… 2001.04.12 ぐ、ぐはぁ!(吐血)つ、続きます…どうしよう… 設定は夜桜の後、ってことで。ヨロシク。(なにが?) サクラちゃん大ピンチ!さぁ、助けは現れるのでしょうか?! (そりゃもちろんあの人が…)ひそひそ… さぁ!管理忍に感想を!(欲しいっス。byすーぷー。) |