人生色々?
ね。もしかしてヤキモチ?

………。

ふーん。違うの?

……。

じゃあ、次はほっといてね?

えっ!!

ふふっ。う・そv

……はぁ。














「おーい、サクラ。今日はもう終ったのかい?」

アカデミー時代に教え子の一人だった春野サクラを見つけて声をかけた。

自分が教え、無事に下忍になっていった生徒はやはりかわいいものなのだ。

「あっ!イルカ先生!お久しぶりです。」

「忍」として任務に当たるようになると、

しょっちゅうアカデミーに来ていてもそうそう顔を合わせる事もない。

だから久しぶりに見かけて声をかけたのだ。

「どうだい?任務はもう慣れたかい?」

上司であるカカシから報告書が回ってくるので、

順調に任務をこなしているのは知っていたのだが、

やはり気にはなる。

「はい!」

と元気一杯に答える姿をみてほっと安堵する。

「そうだ。サクラ、ラーメン食べに行かないか?」

奢ってやるぞ、と誘ってみた。

「本当?行く!」

ナルトが知ったら羨ましがるだろうな、とサクラが笑う。

「ハハハ…内緒にしておいてくれよ。じゃないと連日奢ることになりそうだからね。」

半分冗談、半分本気で答える。

「そっかぁ。そうだね。じゃあ、自慢してやろうと思ったけど、内緒にしておこう!」

ね、早く行こう?とサクラがイルカの手を取って歩き始めたとき、

イルカの手に軽い衝撃が走り、

「寄り道はいけないなぁ〜v」

と、いきなり間延びした声がする。

「「カ、カカシ先生?!」」

思わぬ上忍の出現にサクラは唖然としていた。

イルカは訳が解らぬまま、

「カカシ先生、寄り道といっても私が一緒ですし、

ラーメン食べさせたら家まで送りますから、大丈夫ですよ。」

と、教師として至極当たり前のことを言う。

カカシの目に鋭い光が宿ったがすぐにいつものように、

「イエ、ちょっと明日の任務の話もありますので今日は私が連れて帰ります。」

とのやんわりと言う。

それまでだまって事の成り行きをみていたサクラが、

「えっ!じゃあ、ラーメンは?」

とカカシに食って掛かるが、「ハイハイ行くよ。」と軽くあしらわれてしまう。

サクラは先生の横暴〜!と喚いていたけどカカシに強引に手を引かれて
あっ、というまにイルカの視界から消えてしまった。

「…な、何だったんだ?今の…。」

しばし呆然としていたイルカの脳裏にふとよぎった事。



ある日ふと見たほほえましい光景。

夕日の中、長身の上忍師とその生徒である女の子が仲良く手をつないで歩いていた。

上忍師とその子はなにやら楽しそうに話している。

そのときは別にただ「仲がいいな、」そう感じただけだった。

だけど。

今思えばもしかすると。

しかしそれ以上深く考えるのを、イルカはやめた。

「まぁ、人生色々、ってことだよな。」

と呟いて。



010609
かれはススキさまに捧げます。
「第三者視点のカカサクを是非…」という事だったので、
イルカ視点でチャレンジしてみました。

『あの二人はまさか・・・?いや・・・でも?』ってなカンジ、とあったので、
それも努力しました。

お望みどおりの品になったでしょうか???^_^;
喜んでいただければ幸いです。