カワイイヒト。
キミに出会って。
人を『愛する』という事を知ったんだ。

見返りを求めない。
ただただ純粋に愛すること。

愛しくて。
守ってあげたい。

何もいらないのです…

あなたを愛しつづけてもいいですか?










「あら。顔が緩んでるわよ。」

木陰で座っている男に声をかける。

「…そう?」

うるさいのに見つかったと、心底嫌そうな顔を向ける。

「ええ。アスマにも見せたい位にね。」

「…やめてくれ…冗談じゃないぞ?」

片方しか出ていない目でジロリと睨むがそれくらいでひく紅ではない。

「フフフ…あなたでもそんな顔できたのね。」

「そろそろ静かにしてくれよ。起きちゃうじゃないか。」

自分の胸に寄りかかって眠っている少女の髪を優しく梳きながら文句を言っている。

「あーあ。写輪眼のカカシも形無しねぇ。」

「…ほっといてくれ…」

はぁ、とため息をつくとカカシはまた少女の髪を梳く。

其の様子をクスクス笑いながら見ていた紅は

はい、とよく冷えたウーロン茶の缶をカカシに手渡す。

「…なに?」

カカシは怪訝そうにウーロン茶をみる。

「なに、ってウーロン茶よ。まだ仕事中じゃない。一応は。」

「いや、ま、そうだけど。」

「にしても。幸せそうな顔して寝てるわね…」

カカシにウーロン茶を渡しながら少女の顔を覗き込む。

「デショ?俺の大切なお姫様だし?」

そう言うと頬に落ちてきた髪を掬い少女の耳にかける。

「お姫様?」

「そう。お姫様。俺にとってたった一人の愛しい存在。」

カカシはいたって真面目に答える。

「まだ幼いその子が?」

「…年なんて関係ないデショ?俺とサクラは出会った、それだけで十分。」

そう言い切ったカカシの少女を見つめる瞳は限りなく優しくて。
普段の彼からは想像できないだろう。

「辛くはないの?」

「全然。今は一緒に居られる事が俺にとっても幸せだし?」

「…一緒に居るだけで満足できなくなったら?」

ふうっ、と微笑んで、

「そのときは…でもサクラを泣かせるようなことはしないよ。
いざとなれば、まぁ、俺が我慢すればいいことだし。」

アイシテルからね、とサクラの髪に口付ける。

「…ゴチソウサマ。聞いた私がばかだったわ。まぁせいぜい頑張って頂戴。」

うまくいくよう祈ってるわ、とその場から立ち去った。







「ねぇ…先生…。」

「ん?起きちゃったの?」

「いざとなったら何を我慢するの?」

「…イヤ、あのね…ま、気にしない、気にしない。」

「む〜気になるぅ!なぁに?せ・ん・せ・いv」

目一杯の笑顔を向けて教えてとねだったけど。

「もうちょっと大きくなったら教えてあげるよ…」

「も〜!すぐ子供扱いするんだから!」

ぷぃ、とそっぽを向く。

まいったな〜と頭を掻いていたが。
サクラの頬に手を添え、自分の方に向けると唇を重ねて舌を絡ませた。

「んんっ…っは……な、なにを…」

突然のことにサクラが目を白黒させてたけど、カカシはニヤリと笑い、

「これでも子供扱いして、って怒る?」

と一言。

「言いません…」

顔を真っ赤にしたサクラが呟いた。



(んー…紅にはああいったけど…こんなサクラ見てたらちょーっと自信ないかも…)

そんなことを考えていたカカシであった。



2001.3.25
カカティと紅の会話でしたね。これは。
カカティがサクラの事を本当に大切にしている、と言うのを書きたかったのですが。
はてはて。大切にしてるんだけど、うまい具合に手、だしてたり。
ウチのカカティはこんな感じです…(エロ格好いい???)
シリアスに格好イイのも書きたいな。