うたかた


…ねぇ。頑張ったでしょ?


…誉めてくれる?


…ナルトもサスケくんも頑張ったの。


…もちろん。おまえ達は良くやったよ。さすが俺の自慢の部下だよ。


…へへっ。俺もがんばったてばよ。


…ふん…。


…三人とも本当に良くやってくれたよ…。


…ね、先生…。


サクラはカカシのベストの端を引っ張る。


…ん…?


どれ、とカカシはサクラを抱き上げる。


サクラはカカシの首の腕を回しその胸に顔をうずめる。


…先生…みんなずっと一緒だよね…?


…ああ。みんな一緒だよ。ずっとね。


…あーっ!カカシ先生ってばズルイってばよ!


…フン、ウスラトンカチ。


なにぃ、とナルトがサスケに食って掛かっていく。


…ハハハ。喧嘩するなよ、二人とも。


カカシはそんな二人をニコニコしながら見ていた。


「カ、カカシ先生?!ナルトにサクラにサスケ!」


…あっ!イルカ先生だってばよ!


ナルトは喜んでイルカに掛けより。


…イルカ先生!


サクラはカカシに抱かれたままニコニコと手を振り。


…フン。


サスケも嬉しそうだ。


…イルカ先生…すいませんねぇ。


「カカシ先生…それじゃあ…」


ハハハ…面目ない、とカカシは笑った。


「ナルト…また一楽のラーメン、食べに行こうな…。」


約束だってばよ!とナルトは笑い。


「サクラ。頑張れよ…。」


うん!カカシ先生に色々教えて貰うんだ!と満面の笑みを浮かべ。


「サスケ…道は一つじゃないんだぞ…。」


フン、知ってるよ、とはにかむ。


其のときカカシが…ああ、時間だ…と呟いた。



「まってくれ!まだ…まだおまえ達に…」


ざぁっ……と風が吹き抜けて…


四人の姿が消え…


只一人イルカだけが残されて…





男は真新しく四つの名が刻まれた石に縋って声を上げて泣いた…





イルカ先生ってばよ、俺たち幸せだったよ…





人生…それはうたかたの夢…





2001.3.29
く、暗い…七班全滅話。
なんか突然浮かんだのです…

に、逃げっ!