チェンジ!=夾= |
・・・・ん・・・いい匂い・・・・ なんの匂い・・・・? 甘ずっぱいような・・・ それが事のはじまり。 「ん〜〜よく寝たぜ・・・」 今朝もすっきりと目覚める。 「?」 ・・・・なんかヘンだ・・・・ ・・・・なにが? ・・・俺の部屋ってこんなだったけ・・・・? ・・・紫呉がなんかしたのか? 「???」 ・・・あれ・・・・? ・・・胸がある・・・ ・・・下は・・・? おそるおそる触る。 ・・・・・・・ ・・・ナイッ!! ・・・うそだろ? 何がなんだかわからなかったが、 あわてて部屋を飛び出し下へ向かう。 「透!」 「あ、おはようございます、夾さん。」 にっこりと挨拶してくる。 「え・・あ、・・・・おはよう・・・。」 (俺を見ても驚かない・・・何故だ・・?) 「なにやってるのかな〜我が家のお花たちは。」 紫呉がおきてきた。 「おや・・・夾くん・・・どうしたんだい?血相変えて・・・」 「紫呉・・・俺変じゃないか?」 「んー、まあ、変といえばへんだねぇ・・・」 ニヤリと笑う。 「だろ?やっぱオカシイよな・・・」 「ふーん、やっとその男言葉、直す気になったんだぁ・・。」 「・・へっ?」 「へって、違うの?」 「じゃ、なにがおかしいの?」 「・・・・俺は男だったはずだ・・・。」 「・・・・・・夾くん、はーさんに診てもらうかい?」 「・・・昨日の夜は確かに男だった・・・」 「夢でも見てたんじゃないの?」 きみは女の子でしょ、と紫呉。 「みんななにしてるの?」 「朝ご飯食べないと遅れるよ。」 皆より少し遅れて由希が降りてきた。 「あ、由希くん、夾くんが変なんだよ〜」 「いつもの事でしょ。」 冷たく言い放つ。 「クソ由希!」 「それ以上言うと女だからって手加減しないよ?」 二人の視線が火花を散らす。 「あ、あの・・・皆さん、ご飯を食べませんか?」 透があわてて仲裁にはいった。 「ほらほら、急がないと遅刻しちゃうよ?」 紫呉が3人を促す。 ふと時計を見るともう少しで8時をさすところだった。 「ヤバ・・・」 3人はあわてて朝食を取ると、 学校へと向かった。 「夾さん!一時間目は体育なのです!一緒に着替えにいきましょう!」 透が声うをかけてきた。 「ん?・・・ああ・・・。」 (って、俺は男だぞ?!・・・いや、身体は女みたいだけど・・・) 「早く行きましょう!」 夾の腕をとって更衣室へと引っ張っていく。 「透・・・ち、ちょっと・・・」 (お、おい、まてって・・・女が着替えてるんだろ?やばいって・・・。) 「さ、早く着替えましょう。」 ガラッ、と勢いよく扉を開けると、皆着替えた後らしく、 すでにいなくなっていた。 (ふう。よかった・・・・って・・・と、透?!) ほっ、として顔をあげると透が体操着に着替えるため制服を脱いでいた。 制服の上を脱ぎ、スカートを脱ごうとしていた。 「な、何してるんだ・・・!」 「なにと言われましても・・・授業に遅れてしまいます!」 クルリと夾の方を向いた。 (うわわ・・・・ど、どうしよう・・・。) 夾は目のやり場に困って下を向いたまま、 じっとしていた。 「どうしたのですか?」 具合が悪いのですか?、とその声に顔を上げると、 下着姿の透が目の前にいた。 「!!!!!」 (し、下着姿の透・・・・が・・・目の前に・・・・あ・・・も、だめ・・・・) 顔が見る間に赤くなり、 よろり、と足元がふらつく。 「あ・・・き、夾さん!危ないです!」 透があわてて支えようとしたが、 その努力もむなしく、手は中をきり、 バッターン! ・・・ゴン。鈍い音。 どうやら頭を盛大にぶつけたらしい。 「ああっ!夾さん!大丈夫ですか!大きなたんこぶが出来てるのです〜・・・。」 (これくらい平気・・・・・だ・・・。) 「せ、先生を呼んでくるのです・・・!」 (だい・・じょう・・・・ぶ・・・。) 透があわてて着替えると、バタバタと更衣室を出て行く音を聞きながら夾は完全に気を失っていた。 「!!!」 ガバッと起き上がる。 ・・・どこだ? ・・・いつもの俺の部屋だ・・・ ・・・やっぱり夢だったか・・・ ほっとする。 ・・・夢でよかった・・・。 ・・・少し勿体無かったかな・・・ 透の姿を思い出して一人赤くなった。 ・・・何考えてんだ・・・俺は。・・・ 「さ、起きるか・・・。」 ベットから勢いよく飛び出すと思いっきり伸びをした。 「・・・・?」 なんか変だ・・・。 おそるおそる体を触ると・・・・ 「なんだぁ!!夢じゃなかったのか?!」 冗談じゃねぇ、と叫ぶと、とりあえず下へと向かった。 居間には朝だと言うのに珍しく紫呉が起きていて、 コタツでぬくぬくしていた。 「ん・・・?夾くん?」 「・・・紫呉・・・・どうしよう・・・大変な事に・・・。」 紫呉はチラ、と夾を見ると、 「まあ、座んなさいよ。話はそれから。」 と夾に座るようにうながす。 おとなしく夾はコタツに入る。 「で、どうしたの、夾くん。」 「見て解んないか?」 「ははーん・・・。」 なるほどね、と紫呉。 「どうすりゃいいんだ?」 「ま、なるようになるでしょ。」 ケ・セラセラですよ、のんきな紫呉。 「・・・・・紫呉に聞いたのが間違いだった・・・・。」 ふうっ、と夾は大きなため息をついたのだった・・・。 第2話につづく。 ははっ・・・・・・。やってしまった。男女逆転話・・。 さて。あと2話をどうもっていくか。 いい意味で期待を裏切りたいものです。 でもこんな創作でも読んでくれている人、いるのかな〜いたら嬉しいです! |